【渓魚図鑑】渓流釣りで釣れる魚とは? 特徴や生態を知っておこう!
「渓流って、どんな魚が釣れるの?」
「見た目が似ている魚もいて、名前がわからない・・・」
などと、渓流魚について疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?
渓流釣りと一口に言っても、川によってさまざまな魚がターゲットになり、見た目はもちろん性質なども異なります。
今回は、渓流で釣れる魚について解説しますので、それぞれの特徴や生態を理解して、より渓流釣りを楽しみましょう。
「これから渓流釣りをはじめたい」と考えている方や興味がある方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
渓流釣りで釣れる魚の特徴・生態
川や地域にもよりますが、渓流釣りではさまざまな魚がターゲットになります。
それぞれ独特の美しさがあり、釣り人を魅了してやみません。
では、渓流釣りで代表的な魚の特徴や生態を解説していきましょう。
イワナ(岩魚)
「イワナ」はサケ科イワナ属の渓流魚で、冷水を好み川のもっとも上流域に生息しています。
源流釣りでは、絶好の人気ターゲットです。
褐色の背中に白い斑紋のあり、腹部・胸ビレ・腹ビレが生息している場所によって白っぽかったり、黄色味を帯びていたりしているのが特徴です。
一口にイワナといっても、「ニッコウイワナ型」「ヤマトイワナ型」「ゴキ型」など2種6亜種に区別されており、初心者では区別がつかない場合もあります。
また、北海道にしかいない「オショロコマ」もイワナの仲間です。
天然のネイティブなイワナは源流域でなければお目にかかれないものの、養殖が盛んで比較的釣りやすい渓相の河川にも多く放流されています。
なお、放流されているイワナはおもに「ニッコウイワナ」です。
警戒心が強いが貪欲な魚
イワナもとても警戒心が強いことで知られ、岩など物陰に潜んでエサがくるのを待っています。
釣りの難易度も高いとされ、警戒されないよう慎重にアプローチしなければなりません。
かなり水の少ない場所でも生息できるのも特徴。
とくに、夏場で高水温になると支流の細い沢に入っていきます。
食欲は貪欲で、何でも食べる雑食。
ヘビを丸呑みすることもあるといわれています。
幻の魚「ゴギ」とは
山陰や山陽の山中にのみ棲息している、貴重な魚がイワナの一種「ゴギ」。
虫食い模様が頭まで入っているのが特徴です。
山陰側では斐伊川から高津川まで、山陽側では岡山県の吉井川から広島県の太田川などで棲息が確認されています。
褐色の背中に白い斑紋がある
腹部・胸ビレ・腹ビレは白っぽかったり黄色味を帯びていたりする
とても警戒心が強く岩など物陰に潜んでエサがくるのを待っている
釣りの難易度が高く警戒されないよう慎重にアプローチしよう
何でも食べる雑食性
ヤマメ(アマゴ)
「ヤマメ(山女魚)」はサケ科サケ属の魚で、生まれた後に海へ下り、成長して再び戻ってくる「サクラマス」の陸封型です。
魚体の斑点模様「パーマーク」が特徴的で、その美しさから多くの釣り人を魅了しています。
オレンジ色の朱点が体側に点在しているヤマメの亜種が「アマゴ」。
朱点がある以外ヤマメと見た目・生態などが同じであり、降海型は「サツキマス」と呼ばれています。
ヤマメが神奈川県以北から北海道まで生息しているのに対して、アマゴは伊豆半島以西の西日本に生息しているのが特徴です。
ただ、もともとの分布分けには諸説あって、現在では両方が混在している川も多く一概にいえない場合も。
とくに、九州地方では混在が多いとされています。
ヤマベ | ヤマメの北海道と東北での呼び名。関東のオイカワの呼び名なので注意。 |
ヒカリ・シラメ | 降海するヤマメとアマゴの呼び名。東北でヒカリ、中部でシラメと呼ばれている。 |
エノハ | ヤマメの九州での呼び名。 |
タナビラ | 木曽川水系など長野でのアマゴの呼び名 |
縄文アマゴ | 長野県諏訪地方の源流に棲息しているアマゴの呼び名。 |
平家マス | 宮崎県の椎葉村の渓流に生息しているヤマメの呼び名。ダム湖から遡上する。 |
渓流魚のメインターゲット
ヤマメは養殖も盛んで多くの川に放流され、渓流魚のメインターゲットです。
昆虫や小魚を捕食し、大きくなると40cmほどになります。
イワナが上流域の冷水を好むのに対して、ヤマメは水温20~24℃程度が生息上限とされている順応力が高い魚です。
また、アマゴのほうが水温上昇に強いとされています。
動きは機敏で遊泳力があり、昆虫や小魚を捕食。
ヨレのなかよりも、瀬の流心にいることが多いのも特徴です。
サケ科サケ属の魚で「サクラマス」の陸封型
魚体の斑点模様「パーマーク」が美しい
養殖も盛んで渓流魚のメインターゲット
昆虫や小魚を捕食して大きくなると40cmほどになる
オレンジ色の朱点が体側に点在しているのが「アマゴ」
イワナが上流域の冷水を好むのに対して中流域にも生息
動きは機敏ですばやく昆虫や小魚を捕食
ニジマス
「ニジマス」は北米原産のサケ科サケ属の魚で、明治10年に日本に移入されました。
魚体にある赤紫色の模様が美しく、英名では「レインボートラウト」と名付けられています。
ニジマスは養殖しやすく日本各地の河川や湖に放流されているほか、手軽に楽しめる釣り堀や管理釣り場のメインターゲットでもあります。
ただし、本格的な渓流釣りにおいては、イワナとヤマメの外道として扱われることも少なくありません。
しかしながら、水温の低い時期や高い時期を問わず1年を通じて活動するため、冬季釣り場のターゲットしても一般的な魚です。
何でも食べる雑食で、ルアーやフライ、エサ釣りなどさまざまな釣りで楽しめます。
イワナやヤマメと比べて警戒心が弱く、比較的釣りやすい魚です。
野生化して繁殖している川や湖もあり、大きくなると50cm以上にも成長。
小型でも、ジャンプを繰り返す強烈なファイトで釣り人を楽しませてくれます。
適応できる水温が広く、イワナやヤマメがエサを食わないような状況でも積極的に活動する場合も。
渓流魚の多くは秋に産卵するのに対し、ニジマスは秋に産卵するタイプと春の産卵するタイプがいるのも特徴です。
赤紫色の模様が美しく英名は「レインボートラウト」
手軽に楽しめる釣り堀や管理釣り場メインターゲット
大きくなると60cm以上にも成長
ジャンプを繰り返す強烈なファイトが魅力
イワナやヤマメと比べて警戒心が弱く比較的釣りやすい魚
オショロコマ
「オショロコマ」は、北海道中部以北のみに生息しているイワナの仲間です。
淡青色の縁取られた朱色の斑点があり、陸封型にはパーマークがあります。
最大でも30cmほどと、イワナよりやや小ぶり。
ただ、降海型には1mを超える大型も存在していますが、日本ではほとんど陸封型です。
イワナと生態は似ており、エサは底生生物や水生昆虫、陸生昆虫などです。
産卵期は10~11月で、砂礫場の川底に穴を掘って産卵します。
なお、北海道の然別湖と流入河川に生息している「ミヤベイワナ」は、オショロコマの亜種です。
北海道中部以北に生息しているイワナの仲間
淡青色の縁取られた朱色の斑点がある
「ミヤベイワナ」はオショロコマの亜種
最大でも30cmほどとイワナよりやや小ぶり
イワナと生態は似ており、エサは底生生物や水生昆虫、陸生昆虫など
アメマス
特徴
「アメマス」は別名「エゾイワナ」とも呼ばれる、イワナの仲間です。
イワナより白い斑点が大きく、河川で生活している途中で残留型と降海型に分かれます。
残留型がおよそ40cmになるのに対し降海型は70cm程度に達し、「海アメ」と呼ばれて北海道や東北でのルアーフィッシングの人気ターゲットです。
「雨の日に遡上したり、よく釣れたりする」といわれ、漢字では「雨鱒」と書きます。
別名「エゾイワナ」とも呼ばれるイワナの仲間 イワナより白い斑点が大きい 北海道と東北に棲息 降海型は70cm程度に達し「海アメ」としてルアーフィッシングの人気ターゲット
渓流魚の特徴や生態を知っておこう!
種類によって独特の美しさや生態をもつ渓流魚たち。
それぞれの特徴や生態を知っていれば、さらに渓流釣りを楽しめること間違いありません。
これから渓流釣りをはじめたいと思っている方は、ぜひ美しい渓流魚たちに会いにフィールドへ出かけてみてくださいね。
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